『新レタリング事典』
- 作者: 平沢義正
- 出版社/メーカー: 梧桐書院
- 発売日: 1987/06
- メディア: 単行本
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定価650円のところ、ブックオフで購入して105円。255ページ。最初の50ページほどでレタリングの基礎が簡単に説明してあり、残りは作例集や6体漢字表などになっている。
20年前に発行された本なので、作例をパラパラと眺めただけでも「時代」が感じられて面白い。楷書・行書や江戸文字といった筆書系の文字からは、それほど古臭さを感じることはないが、チラシや店頭に書いてあるようなPOP系の文字からは、いかにも「一昔前」という空気が漂ってくる。
では、この「古臭さ」を醸し出しているのは一体何なんだろう?と思い、ちょっと考えてみたが、それを言葉にしようとするとなかなか言い表せない。
「手書きなのでシャープな線になっていない」「略字・俗字・旧字などを使っている」「書かれている言葉自体がそもそも古臭い」というような特徴はすぐに思い浮かぶが、それ以上に「一昔前の文字」たらしめている何かがあるはず。「あ、これは一昔前の字だな」ということは見た瞬間わかるのに、不思議なもので「なぜ一昔前だとわかったのか」がよくわからない。
これはもどかしい……。