『写真植字機五十年』
- 作者: 馬渡力
- 出版社/メーカー: 株式会社モリサワ
- 発売日: 1974
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この本は、写植機発明50周年を記念してモリサワが出したものらしい。ただし非売品とある。モリサワの本なので、当然ながら内容は森澤信夫が中心になっている。写植機の歴史というよりも、森澤信夫(と写植)の半生を描いた伝記のような体裁。
写植に関する本はほとんど読んだことがなく*2、知らないことばかりだったのでなかなか面白かった。石井茂吉とのやりとり(それに加えていざこざも)についても触れられているので、森澤から見た石井像もなんとなく摑める。石井側(写研側)の視点で書かれた本も読んでみないと、本当のところは分からないだろうけど。
欲を言えば、もう少し図版がほしいところ。これ自体は読み物のような感じの本なので、写植機のデータをまとめた資料集的なものがほしい。写植の書体や、写植機で組んだ印刷物に対しての分析、といった感じのものを読んでみたい。