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文字についてあれこれと。

中文の古本を眺める(4)『漢字快写法』

4冊目は黄若舟編著・書『漢字快写法』。1983年8月発行、定価0.22元で、上海書画出版社出版。

書名にあるように、この本のテーマは「漢字を速く書く方法」。万年筆(钢笔 gāngbǐ)やボールペン(圆珠笔 yuánzhūbǐ)など硬筆での筆記を想定しており、常日頃のメモなどに役立つような実用的な内容。

「速く書く方法」といっても別に裏技があるわけではなく、行楷・行草・草書の順に基礎から学んでいく。下の画像のように、本文も左横書き簡体のペン字で書かれている。


内容は、日本で売っている「行書入門」「草書入門」といった類の本と同じような感じ。

一番最後には「詞語連写」という節があり、語句ごとに繋げて書く方法が解説されている。横書きの連綿とは珍しい。この画像が詞語連写の例だが、見てのとおり何とも変態的。

果たしてどれだけ読めるだろうか。答えは以下に隠しておく。

人的生命 是有限的 可是为人民服务 是无限的 我要把有限的生命 投入到无限的 为人民服务之中去。

雷锋 - Wikiquote

このような連綿がどの程度一般的なのかという点については、現状をよく知らないので何とも言えない。ただ、(芸術としての書以外では)ほとんどが横書きになった現代の中国で、新しい書体・書法が生まれてきても不思議ではないと思う。