『甲骨文字の読み方』
- 作者: 落合淳思
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/17
- メディア: 新書
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読了。これはおもしろかった。
内容としては、最初に甲骨文字の周りの話がちょろっとあって、その次にひとつひとつの漢字について解説がある。甲骨文字の画像があって、この文字は何という漢字でしょう?というシンプルなクイズになっている。これが単純なわりに結構おもしろい。簡単な漢字は簡単だが、身近な漢字でも意外な形をしていたりするので、解説を読むといろいろと発見がある。
後半は、実際の甲骨文の読解。といっても、内容がある程度決まっていて(甲骨文なので当然占いの内容が書かれている)、しかも語彙や文法がかなり簡潔なので、そんなに難しいものではない。高校の漢文よりずっと簡単。こちらもクイズ形式になっていて、10文字程度が書かれた拓本の画像を見て書き下し文、現代語訳にしていく。解説も丁寧で読みやすい。
とにかく、実際に甲骨文字が読めてしまうんだからおもしろい。ヒエログリフだとか他の文字の場合、書記体系を知って音が分かったとしても、言葉の意味が分かっていないと当然ながら文は読めない。これが甲骨文字の場合、「この文字は現在ではどの漢字にあたるのか」ということが分かりさえすれば、あとは漢文の要領(しかもそれほど難しくない)で読めてしまう。
実際の他の甲骨文もこんな感じで読めるのかどうかは知らないが、とにかく、甲骨文字を読んでみたい!という人にはおすすめの一冊。新書なので手ごろだし。