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三谷幸吉「鯨尺号数制説」の初出

本と活字の歴史事典』では「三谷幸吉の鯨尺説は『本木昌造平野富二詳伝』(1933年)が初出」となっているようですが、この初出年はその後更新されたんでしょうか? 1930年の『誰にも判かる〜』にも鯨尺説が見えるんですが。

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おととい書いたこれ↑、どなたか詳しいことをご存知ないですか? 自分ではここらへん知識不足なので、状況がよく掴めていません。

とりあえずネット上の情報ではどれも「1933年が初出」となっているようなので、『誰にも〜』の当該部分のテキストを置いておきます*1

# 『本と活字の歴史事典』で鯨尺説を検証した(+1933年を初出とした)小宮山さんご本人は、
# 後の『基本日本語活字集成』で『誰にも〜』を引いている(p. 17)のでご存知なんだろうけど。

## でも、同ページにある註一〇のこの記述は微妙。

本木昌造・平野富二の事跡を調査し『本木昌造・平野富二詳伝』を昭和八年(一九三三)に刊行し、本木の号数制活字は鯨尺をもとにしたサイズであることを提唱、……

小宮山博史「日本語書体の分類」『基本日本語活字集成』誠文堂新光社、2008年、p .17

本と活字の歴史事典

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基本日本語活字集成 OpenType版

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*1:三谷幸吉は1941年没なので、著作権の保護期間は満了している。