しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

吉野家の「つち吉」

巷でウワサの「テラ豚丼」騒動に関する、吉野家お詫びPDFの話。

動画投稿に対する当社の対応について http://www.yoshinoya.com/news/pdf/071203.pdf

フォントは「MS明朝」と「Century」そして謎の「00」というTrueTypeフォントが使われています。
この「00」(フォントメニュー名はきちんと和名がついている…のかもしれません。)というフォント。何に使われているかとい言えばおそらくアレです。アレ。
ヨシノヤと言えば、「つち吉」の字形を保持すべく頑張ってる会社であります。
おそらくこれは、電子文内にて「つち吉」の字形を実現するためのハウスフォント(という用語が正しいか否かはさておき)だと思われます。
この部分だけ、フォントを変えてあるわけですね。
すばらしい根性!

世の中がテラ豚丼を追うときに、われわれはその文書の文字を見ている。 : FeZn/Bookmark

試しに FontForge で開いてみる。

この「AAAAAA+00」というのが、上で出てきた謎の TrueType フォント「00」。中身は「つち吉」(glyph8)と「・」(.notdef)の2つがあるだけで、他はすべて未定義か空白だった。


どうもこのフォントは256グリッドで作られている様子。普通は1024程度のものが多い気がするので、これは少ないんじゃ……と思ったら、MS明朝も256だった。ちなみに PostScript フォントでは1000、TrueType フォントでは2の冪乗グリッドが標準らしい。フォント情報は開けなかった。

これがPDFの画像で、倍率は1200%。やっぱり違和感が……。