第二水準の83字形も比較してみる
第一水準の続き。
今回は附属書6の画像は割愛。JIS X 0208-1983 の規格票の字形と、Adobe-Japan1 の小塚明朝の83字形とを比較し、微妙な差があるものを並べてみた。また、小塚明朝が何を区別し、何を区別していないのかを知るために、90JISの字形も示した。
巉
この画像では若干分かりにくいかもしれないが、83JISでは「比」の3画目を横画に作っている。90JISでは通常の「比」のように左払いになり、また「兔」の中央の縦画と左払いとが1画になった。
AJ1では「兔」の区別はしてあるが、「比」の3画目はどちらも左払いに作っている。
敝
83JISでは「㡀」の中央に墨溜りがある。AJ1では83/90ともに墨溜りがないが、これは小塚明朝のデザインポリシー(前回の「蔽」を参照)だと考えられるので、問題なし。
絳
先日書いたように、見るからに違う。
豕
JIS X 0208:1997 では、225字が「83→90で字形に変更があった」とされている。AJ1ではこれより多い229字を「変更があった」とする。JISの225字に含まれ、AJ1の229字に含まれていない(= AJ1では区別されていない)唯一の漢字がこの「豕」。このあたりに関しては、下の記事に詳しい。
靠
「非」の変更については問題なし。「告」について、JISでは83/90ともに「牛」と「口」を離しているが、AJ1では83と90でなぜか差をつけている。