lb, ℔, #
歴史的には、メソポタミア地方で大麦1粒の重さを元にグレーンが定められ、その倍量単位としてポンドが定められた。古代ローマではこの単位を「リブラ(libra)」(天秤の意味)と呼んでおり、これがポンドを表す記号“lb”の由来である。また、通貨の単位のポンドの略号“£”もlibraに由来する。「×××リブラの重さ」を“××× libra pondus”と言い、このことから“pondus”がリブラの別名となった。
ポンド (質量) - Wikipedia
とのことで、質量の単位ポンドは “lb” という記号で表される。
一方、番号記号やナンバーサインや井桁などと呼ばれている*1 “#” も、アメリカではポンドの意味で使われることがあり、例えば 3# は3ポンドを表す。では、“lb” と “#” にはどのような関係があるのか。Wikipedia の英語版を引いてみると、
At first "lb." was used; however, printers later designed a font containing a special symbol of an "lb" with a line through the ascenders so that the lowercase letter "l" would not be mistaken for the number "1". Unicode character U+2114 (℔) is called the "LB Bar Symbol," and it is a cursive development of this symbol. Ultimately, there was the reduction to a combination of two horizontal strokes (cf. skewed "=") and two forward-slash-like strokes (cf. "//").
Number sign - Wikipedia
とある。“lb.” の “l” が数字の “1” と紛らわしいので、横線を引いて “℔” *2という形を作ったらしい。で、それを続けて書いたら “#” のような形になる、と。この前古本屋で立ち読みした『句読点、記号・符号活用辞典。』*3にも、同じ趣旨の説明があったかと思う。
“lb” から “#” になるなんて本当かよ、と思っていたが、国内のサイトでそれっぽい画像を見つけた。
「1ポンドあたり40銭」という箇所だが、かなり “#” に近い形で書かれている。徳島俘虜収容所で発行されていた週刊新聞『トクシマ・アンツァイガー(徳島新報)』に掲載された広告で、収容所内で開業していたオットー・ハナスキーの肉屋のもの。上の画像は1915年11月7日の第2巻第7号から。全体の画像や書かれている内容については、引用元のページを見てほしい。
次の画像は、それぞれ第2巻第8号(1915年11月14日)と第2巻第11号(1915年12月5日)のものだが、形は “#” よりも “℔” に近い。
元はといえば、あの例の記号と “#” がひょっとしたら何か関係あるんじゃないかと思って調べていたのだが、これはちょっと形が違うか……。“lb” 〜 “#” の他のサンプルが欲しい。
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