二号明朝活字書体見本(明治26年)
TL;DR
東京築地活版製造所『二号明朝活字書体見本』(明治26年/1893年)の画像を Flickr で公開しました。
PDF 版がほしい方は下のページから。
いきさつ
先月末、Twitter でこんなやりとりをしていました。
手持ちの資料をネットに目録作って、私設図書館みたいな感じで参照したい人に情報を渡せる様にするといいのかもしれない。
— にせねこ (@nixeneko) November 28, 2015
手持ちの資料、紙モノまでは整理できてないけど、本とか冊子レベルのものならここに登録してる ⁑ しろもじライブラリ - メディアマーカー https://t.co/Pe8M3kdVOk
— mashabow (@mashabow) November 28, 2015
@mashabow うわっ、1893明26の「二号明朝総数見本 全」って、小宮山大明神の明25総数見本と同じ構成か、実はその1年で違ってたりするのか、激しく気になるんですが!!!
— UA (3.1) ⿴囗図デコ大好き (@uakira2) November 28, 2015
@uakira2 なんでしたらお貸ししますよ(そしてあわよくば撮影をお願いして…
— mashabow (@mashabow) November 28, 2015
@mashabow 撮影ご依頼、喜んで!!
— UA (3.1) ⿴囗図デコ大好き (@uakira2) November 28, 2015
@uakira2 どうもありがとうございます!(ちなみにわたしのTwitterのヘッダ画像はその見本帳の一部です
— mashabow (@mashabow) November 28, 2015
この『二号明朝活字書体見本 全』というのは、2年半ほど前にたまたま運良く入手した活字見本帳です。自分の本棚に古い見本帳があるというのは、もちろん飛び上がるほど嬉しいわけですが、それをそのまましまっておくのもどうももったいない。どうせなら、文字に興味を持ったいろいろな人に見てもらいたい*1。……などということを以前から考えていました。
そんな中でこのやりとりがあり、チャンスだと思って(ずうずうしくも)撮影をお願いしてみました。この内田(@uakira2)さんは以前、築地五号の見本帳のスキャンや、『光をかかぐる人々』の撮影をされています。ありがたいことに、今回快く撮影を引き受けてくださり、こうして『二号明朝活字書体見本 全』の画像を公開することができました。下の Filckr アルバムで全ページ閲覧できますので、どうぞご覧ください。表紙を含めて画像は88枚あります。
いつものように PDF 版も用意してあります。
見本帳概観
この見本帳の8割以上は、漢字のページで占められています。字種数はまだ数えていませんが、総数見本帳だけあってさまざまな字種が載っています。その分、整ったデザインの活字(頻出する漢字)から、その場しのぎっぽいバランス悪い活字(あまり出てこない漢字)まで、クオリティもさまざまです。
部首順に並んだ漢字が終わると、次は分合活字(この見本帳では「分合文字」とよぶ)のページに移ります。横幅が1/3, 2/3の2種類の活字があり、この両者を偏旁として組み合わせ、漢字1字を組み立てるようになっています。
その次はかな類が続きます。カタカナ・ひらがなともに、非常に洗練された細身のデザインです。上のツイートにあるように、自分の Twitter のヘッダ画像にはこのひらがな部分の写真を使っていますが、プロフィールページを開くたびについつい見とれてしまいます。
あとは記号類が少し並んで終わりです。全84ページ。奥付は以下のようになっています。
明治廿六年六月六日印刷
明治廿六年六月十日出版日本東京市京橋區築地二丁目拾七番地
印刷者 曲田 成
印刷所 東京築地活版製造所
というわけで、どうぞご活用ください。
*1:というかそもそも自分自身、ほかの人が持っている見本帳をいろいろ見たくてしょうがなかった