しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

はるひ学園とマユミンウォーク

はるひ学園

モリサワのフォントに「はるひ学園」というものがある。

( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
えーっと。
……はるひ学園(Std)?
はるひ学園!
( ゚д゚)ポカーン
「学園」でなおかつ「はるひ」ですか!
それなんて(ry…ってハナシですよ!
いったい何をたくらんでるんだモリサワ
それとも……僕らは別な時空に飛ばされてしまったとでも?

それなんてフォント? - 遠近法ノート

名前が名前だけにいろいろな憶測を呼んだが、

某涼宮とはまったく関係がないということはきちんと認識しておこう。

実験る~む はるひ学園

図らずも有名になってしまったこの書体。使われているところは残念ながらまだあまり見かけない。

ユミンウォーク

で、このはるひ学園に似た書体に「マユミンウォーク」というのがある。こちらの方が、若干よく使われている気がする。「マユミンウォーク」という名前を知ったのは、亮月製作所内のこのページ。3月18日後半、4月6日後半(写真あり)を参照。

楽天が運営するポータルサイト : 【インフォシーク】Infoseek

FONT1000の「TA-マユミンウォーク」という書体です。これまたマニアックなものを……。最近たまに見かけるようになった明朝体風の“ゆるい”書体です。相武紗季さん率いる妙なちょんまげ軍団も確かにゆるい。
でもこの「マユミンウォーク」、「はるひ学園」と骨格が殆ど同じで、「はるひ」の明朝体版のような雰囲気なんです。作者が同じなのでしょうか。

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上がはるひ学園、下がマユミンウォーク。比べてみると一目瞭然で、たしかに骨格が同じ。


作者が同じなのでしょうか

というわけで調べてみると、同じだった。

両方ともデザインシグナルの七種泰史(さいくさ・やすし)さんが制作。

グラフィック全般、アートディレクションおよびデザインワークと書体創作活動。
こころがこもったデザインと、こころのこもった文字創りを目指す。
モリサワからはるひ学園、フォント1000からウォークをはじめ14書体を発売。

七種泰史プロフィール

ユミンウォークは、FONT1000 から発売されている14書体のうちの一つ。この中では一番人気があるらしい。こころのかたち。-七種泰史。では2008年4月25日にウォークシリーズ、2007年1月25日にはるひ学園について書かれている。

ここの記述や 実験る~む やっと知ったり「はるひ学園」 で書かれているように、はるひ学園はもともと「学園」という書体名。第5回モリサワ賞国際タイプフェイスデザインコンテスト(1999年)の和文部門において、最高の金賞に選ばれている。審査員長賞のアラン・チャン賞も同時受賞。

モリサワのサイトリニューアルによって当時のページが消えているので、以下 Internet Archive より。

この「学園」を拡張し、2007年にモリサワからリリースされたのが「はるひ学園」。件の「はるひ」は漢字で書けば「春陽」。では「春陽」は何なのかというと、これは七種さんの号なんだとか*2

ちなみに、4月9日にタイプバンクからリリースされた鉄筋隷書は、同じ第5回モリサワ賞コンテストにおいて小塚昌彦賞を受賞している。

*1:「学園」は「あ」の字しか載ってないけど。

*2:前回のもじもじカフェ懇親会で聞いた話によると。