しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

交わるゾーン

http://d.hatena.ne.jp/mashco/20080223/1203767094

上の記事で紹介されている冊子『杉本幸治 本明朝を語る』。先日のイベントの受付で配布されていたので、持ち帰って読んだ。30ページほどのこの冊子は、2006年4月22日に開催された講演会の内容を元に再構成したもの。杉本幸治氏が本明朝の制作とそこまでの道のりを、自身の半生とともに語っている。

TYPOGRAPHY FESTIVAL 杉本幸治 本明朝を語る - 朗文堂

現在この冊子は、リョービのページにある申込書を送ると無料(送料別)で入手できる。

ところで、この冊子の中の24ページから28ページにかけての文章。

あのころの活版清刷りは、いまでは清刷りともいえないようなザラ紙に印刷したものでしたから、文字の画線の太さにとても乱れがありまして、太いところもあれば細いところもあり、画線が交叉すると、交点などが不鮮明になります。つまり交わるゾーンをどこで整理するか。その判断に悩むわけです。それには印刷のプロセスを知っていないと、画線の整理はできません。

「交わるゾーン」じゃなくて「マージナルゾーン*1」?とも思うのだが、どうだろう。ただ直前で交叉が云々ってあるから、「交わるゾーン」でも一応ちゃんと意味が取れるしなぁ……。自分の考えすぎ?

追記

杉本幸治 本明朝を語る - もじのなまえ

小形さんによる、講演会についてのエントリ。「統一病」の話も興味深い。

*1:インクの横漏れにより、実際の活字の線幅以上の余分な太さとなる部分(wikipedia:印刷#凸版)。凸版印刷 印刷の基礎知識 の中ほどには図解がある。