しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

中国ではどうしてるんだろう?

二つ名メーカーによると

らしいが(ん……なんとも微妙な……)、これを作った pha 氏の日記に「二つ名メーカー」と漢字文化圏というエントリが上がっていた。

予想外の反応だったのは、中国や韓国の人にも遊んでもらえたということだった。多分きっかけはこのブログだと思うんだけど。

「二つ名メーカー」と漢字文化圏 - phaの日記

とのことで、日本人以外でも漢字文化圏ならこのネタが(カタカナが読めるかどうかは別として)ある程度伝わるらしい。

難しげな漢語の羅列に英語やらドイツ語やらのルビを振り、これを多用するのは、もはやライトノベルの典型的な特徴の一つとして認識されているような気がする*1。こういった表記は昔は「衒学的」だと受け取られていたのかもしれないが、今では中二病の代名詞になっているような……。

近年は中国や韓国でもライトノベルが翻訳・出版されているらしいが、こういった表記はどうしているんだろうか。師茂樹氏の簡潔なレポート(ただし1999年のもの)によると、

中国語にルビはあるか?
中国語にも、日本語の振り仮名のように、注音符号やピンイン字母を漢字の上または右に振る表記法がある(下図参照)。

  • 注(1): 注音符号は、漢字音を示すために民国時代に開発された音標記号であるが、現在、台湾などでは日本語の仮名文字のように単独で用いられることもある。
  • 注(2): 中国では横書きの文書が基本なので、縦書きの文書にピンインを振ることはない。注音は、縦書きが基本で横書きにも対応可(横書きの文書の場合にも文字の右に読みを振る場合が少なくない。図1〜3参照)。
  • 注(3): 中国語の「ルビ」は、基本的に発音を表記する以外の目的には使われない。日本語で、「強敵」に「ライバル」などと振るような例は、中国語では一般的ではないと思われる(要調査)。
中国語における「ルビ」について

とのことで、Wikipedia をちょっと覗いてみても、中文では注音符号かピンインを振った例しか載っていない。よく考えてみればこれはライトノベルに限った話でも、中国・韓国に限った話でもないんだけど、どうしているのか非常に気になる。

*1:少なくとも、ネット上で語られるステレオタイプな「ライトノベル像」においては。実際には漫画にもかなり多用されているように思う。