Windows 8 Consumer Preview のIMEにおけるIVS対応
昨年9月13日に公開された Windows 8 Developer Preview では、IMEの変換候補にIVSを含む語が現れるようになっているとのことだった。
Windows 8 では IVS(Ideographic Variation Sequence)を変換候補から選択できるようになっています。IVSとは?については、こちらなど詳しく書いてあるので参考にしてください。
IVSを利用した文字を変換候補に表示させない方法|窓のくすり箱
実例を示すと、Windows 7まではJIS90とJIS2004の文字の混在がIMEでできませんでした。したがって、辻という文字はJIS90では「一点しんにょう」ですし、JIS2004では「二点しんにょう」となり、双方を同時に使うということはできませんでした。Windows 7で旧字体を使いたい場合は、JIS90互換フォントパッケージをインストールする必要がありました。
これがWindows 8から変わります。
今回 Windows 8 Consumer Preview が公開され、自分の環境にもインストールをしたので、IMEのIVS対応について改めて確認してみた。IMEのバージョンは Microsoft IME 2012 (15.0.8250.0)。
プロパティ > 詳細設定 > [変換]タブ > 詳細設定 をクリックすると、以下のようなウィンドウが現れる。
この [変換文字制限] の項で [変換文字制限をしない] を選択すると、IVSを含む語が候補に出現するようになる。デフォルトでは [IVS (Ideographic Variation Sequence) を含む文字を制限する] になっているので、IVSを含む語は出現しない。Developer Preview の段階では [変換文字制限をしない] がデフォルトだったようだが、さすがに混乱が懸念されるので変更したのだろう。
下の図はメモ帳上で「くず」を変換してみた様子。
JIS2004字形 と、JIS90字形 が変換候補に表示されている。JIS2004字形を選択すると単に [U+845B] が入力されるだけだが、JIS90字形を選択するとVS付きのIVS [U+845B U+E0100] が入力される。
「味噌」「祇園」「辻」など、JIS2004で例示字形が変更された文字が対象のようだ。ただ、「いばらき」で変換した場合に候補に出るのはVSなしの [U+8328](茨)のみで、JIS90字形の [U+8328 U+E0100] は出てこないなど、辞書への収録基準はよくわからない。
カーソルの移動や削除などはIVS(=基底文字+VS)で1単位となっているため、「変な箇所で切り貼りしてしまって別の基底文字にVSがついてしまった」というようなミスはあまり心配しなくてよい。また、そもそも上述のようにIVSを含む候補の表示はデフォルトでオフになっているので、IVSを含んだ文書が Windows 8 によって爆発的に増えるというわけでもないだろう。ただ、IVSを扱える環境が徐々に広まりつつあるのは事実だ。
なお、マイクロソフトはこれまで後方互換性のためにJIS90互換フォントパッケージを提供してきたが、Windows 8 以降には提供しないと発表されている。
マイクロソフトでは、JIS90互換フォントパックを提供するのは、Windows 7用が最後になることも明らかにした。Windows 7の次のバージョンからは、JIS2004に完全移行するとしている。
マイクロソフト、JIS90互換フォントの提供はWindows 7で最後 -INTERNET Watch