しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

シャーペン禁止令

鉛筆が好きというヤツは別に自由に使わせてもいいが、シャーペンを禁止する理由など何もないはずだ。「昔からそうだから」という理由で誰も何も変えようとしないから、意味のない不自由なシステムがそのまま幅をきかせているのだ。そんなことで何がイノベーションだ。シャーペンくらい自由に使わせろバカヤロウ。

シャーペンぐらい使わせればいいだろ

あらかた同意。うちの小学校でもシャーペンは禁止だった。理由は知らない。で、無印の鉛筆型のシャーペン*1をこっそり使っている人もいた。Wikipedia には、シャーペン禁止令について以下のように書かれている。

シャープペンシルは1970年代後半から学校でも使用されるようになった。当初は「落ちた芯によって教室が汚れる」「筆圧が弱くなる」「鉛筆に慣れることが必要」「高価な筆記具もあり紛失・盗難などのトラブル防止」「鉛筆の方が手にフィットするため、脳に刺激を与える割合が、シャープペンシルより大きいから漢字などを覚えやすい」「分解が可能なため、遊び道具となって授業に集中できなくなる」などといった理屈から、小学校では禁止されることが多かった。(一説には商用電源のコンセントにシャープペンシルの芯を差込み、感電する恐れがあるからとも言われる。)

しかし当時の児童にとって、新しい文具は好奇心の対象であり、また芯を削る必要がないシャープペンシルは便利かつ魅力的な文具であった為、合理的な理由もなしに便利な筆記用具が禁止されたことに対し大きな反発があった。一方、長い間鉛筆を用いて教育を行っていた教師にとって、全く新しい文具への戸惑いがあったのと同時に、今までと異なる筆記用具を使用した場合の学習上の利点と問題点が明確ではなかった為、使用が躊躇された。

シャープペンシル - Wikipedia

「分解して授業に集中できない」というような理由は自分も経験があるので(笑)まだ分からないでもないが、「脳に刺激が云々」とかいうのはトンデモの一種なんじゃないの?とか思ってしまう。調べたわけではないが。鉛筆とシャーペンでの違いを実証した論文でもあるんだろうか。そういえば中学(もちろん中学はシャーペン可だった)の先生にも、「鉛筆で書いたときの刺激が脳に良くて云々」と語っていたやや熱血系のヒトがいたが、その先生はどこからその話を聞いたんだろうか。下の記事にもシャーペン禁止令について言及がある。

他には「ハネ・ハライがうまく書けず、正しい字を身につけるときの妨げになる」という理由も見られる。まぁ確かにそれはあるかもしれない。「正しい字」を身につけて欲しいのなら、やはり鉛筆の方が向いていると思う。低学年なら特に。ただ、高学年にもなったらシャーペンでもそう変わりないような……*2。この歳になると、「正しい」/きれいな字を意識して書く人と、そうでない人とがだいぶ固定されてくる気がする。主観だけど。

過去に、日常の書き物には筆でなく鉛筆を使うようになったように、今後、シャーペンで文字を書くことが標準になってしまえば、いかにシャーペンできれいに字を書くかが大事になるのかもしれないけど、どうなんだろね。

http://anond.hatelabo.jp/20080214135916

筆記具によって書体・字体が変わっていくのはよくある話だから、シャーペンの影響によって手書き文字が変化したとしてもおかしくはない。というか、すでに起こっている? そういえば、丸文字とシャーペンとの関係を耳にしたことがある。

変体少女文字の研究』という本らしい。一度読んでみたい。『ヘタウマ世代―長体ヘタウマ文字と90年代若者論』とかも。ネットでいろいろ見ていたら、上越教育大学押木研究室のページにぶち当たった。

おもしろそう。あとでじっくり読む。

*1:木軸シャープペンというらしい。こんなの

*2:もちろん、実際の現場では「小学校では全員シャーペン禁止」とした方が管理しやすいといったこともあるだろうが。