しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

二簡字はどれくらいUCSに入っているのか

簡体字では漢字の字画が省略されて形が簡単になっているが、これをさらに推し進めた「二簡字」というのがある(というか、あった)。 第二次漢字簡化方案 - Wikipedia 第二次汉字简化方案(二简字·1977.12.20)现已废止不用_〃朙朙☆馱〃 で、この二簡字はUCS…

GlyphWiki で補助漢字揃った

この前残り290文字と書いた補助漢字が、今日ようやく全部埋まった。 グループ:JIS補助漢字 - GlyphWiki リリース日はまだ決まってないけど、花園明朝の次バージョンがそのうち正式に公開される予定。 追記(2009-05-01) リリースされました。 花園明朝、補…

自動活字鋳植機の仕組みをまるごと解説

日本ではちょっと影の薄い自動活字鋳植機。モノタイプとかライノタイプとか、今まで話には聞いていても動く様子を見たことがなかった。が、ライノタイプの仕組みを分かりやすく解説した動画が Internet Archive で公開されていた。1970年1960年頃に制作され…

中国の書体制作現場

写真が何枚かあったので紹介。基本は日本と同じなんだろうけど。 位于珠海的神秘字体加工厂见闻录_字里行间·················陈嵘的 Design Essay 途中に一枚だけ、紅蘭楷書(写研)の原字の写真も。下のページは、別の参加者によるレポート*1。 http://www.…

「活字無しで印刷出来る機械の発明」(1925年)

昨日のエントリで紹介した『写真植字機五十年』の中にこんな記述がある。 また〈実業之日本〉は、同年*1十二月一日発行の歳末特大号に「杜川生」というペンネームで「印刷界の大革命*2、活字無しで印刷出来る機械の発明」と題して、やはり六ページにわたって…

『写真植字機五十年』

写真植字機五十年 (1974年)作者: 馬渡力出版社/メーカー: 株式会社モリサワ発売日: 1974メディア: ?購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (1件) を見る上野古書のまちで見つけて購入。700円*1、237ページ。この本は、写植機発明50周年を記念してモ…

でんきの高い店??

通りすがりの小学生の会話: A: あそこ、「でんきのたかいみせ」だって B: 「たかい」がぎゃくになってる! C: え、あんな字あるの? (以下略) 「でんきのやすいみせ」と読ませたいのだろうが、その想い空しく3人はただ「たかいみせ」「たかいみせ」と言う…

平成明朝体の「蔞」

下のPDF(タイムスタンプは1999年9月)に埋め込まれている平成明朝体では、蔞(補助漢字57区20点)のグリフが微妙に崩れている。 [PDF] http://examples.oreilly.de/english_examples/nutshell/cjkv/AppK/jisx0212.pdf Adobe-Japan2 の Technical Note*1 の…

GlyphWiki の補助漢字が95%まで埋まった

補助漢字のグリフをちまちまと作ったり作ってなかったり、という状態でのんびりやってきたが、全体(5801文字)の95%まで埋まった。残りは290文字なので、10文字/日で作れば1ヶ月後には全部埋まる。先が見えてきた。 グループ:JIS補助漢字16区-46区 - GlyphW…

札幌のマンホール

先日ちょっと札幌に行く機会があった。で、滞在中気になったのが、マンホールの蓋に書かれているこの文字。おそらく札幌市の下水道だから「札下」なんだろうけど、「札」が のような形になっている。これと同じ形の「朼」は U+673C に収録されているが、「札…

「き」の変体仮名

下の画像は小池和夫『異体字の世界』の p. 193 から。「き」の3番目、「貴」を崩した変体仮名ということになっているけど、これは「幾」の崩しのような気が。小松茂美『かな』の p. 224 を見てみると、「き」の字形はこんな感じ。異体字の世界―旧字・俗字・…

パーツ?

Unicode の CJK Compatibility ブロックには、㍍ とか ㌷ とか ㍇ とか ㌮ とか、カタカナの組み文字が87種類収録されている(U+3300〜U+3357)。 UTF-8 Browser Test for Unicode Block 'CJK Compatibility' で、この87文字のうち、1文字を除いた86文字は A…

べんとみ

4月20日からは1000号ありがとうキャンペーンとして、るるぶ.comで読者プレゼントや「1000号はっこう弁富」などが企画されています。 画像 大正時代から刊行されている「JTB時刻表」、通巻999号達成で表紙が「銀河鉄道999」に - GIGAZINE や、それ「弁富」じ…

蔵書整理

文字関係の本を登録中。だいぶ済んだ。 メディアマーカー - しろもじライブラリ ブックオフや古本屋で買うことが多いので、どうしても偏りが。未読分も早く消化したい。

子供向けケータイに学参フォント搭載

auから発売されている京セラの「安心ジュニアケータイ K001」に、学参新丸ゴRが搭載されているらしい。 ――機能面ではいかがでしょう? 佐藤氏 通常の携帯電話とほぼ同等の機能を搭載しています。また、ケータイで楽しく学べるという点を意識して、モリサワ社…

重成文字

赫とか磊とか叕とか、同じ部品が並んでいる漢字を「重成文字」というらしい*1。特に「品」のような、同じ部品を三角形に並べた漢字については「品字様」と呼ばれている。で、GlyphWiki の グループ:品字様 を見てみて、その充実っぷりに驚かされた。こんなに…

「雛」の異体字?

「勹」の中身が「屮」ではなく「口」になっている。「雛鳥 鳥やす」でググるとヒットするので、雛の異体字だろうか。ただ、教育部異體字字典には載っていない。これと同じ字体の漢字 が、U+29023に収録されていたりする。

足長の「礎」

みなさんお馴染み、日本全国にその名を馳せる「定礎」ですが、今日はちょっと珍しい字体のものを発見。なんと「礎」が足長に。「定」に形を合わせてみたんだろうか。某八頭身AAのキモさにどことなく似ているような気がしないでもない。

ひどいコピー。

店頭で見かけてビビった。あまりにビビったのでさらし上げ。なんですかこれは。まじですか。名のある飲食チェーンの店頭の、しかもコピーで、堂々とやらかすとはね……。(続きは省略されました。もっと読みたい方はこちらを)昨日のゆず湯とか以前書いた長命…

ちょっと変わった引用符の使い方

ここしばらくの間すっぽかしていましたが、ぼちぼち復活していきます。さて、この前とある銭湯でこんなポスターを発見。冬至どころかもうそろそろ春分だよー、というのは措くとして、「ゆず湯」を囲む引用符の使い方が独特。街中ではいろいろな使い方を目に…

一の五言絶句

なんか変なもの見つけたので紹介。以下、前後の内容もあわせて「一ノ五言絶句」の項全体を転載。本来は旧字体カタカナ交じり文だが、面倒なので新字体+ひらがなで済ませた。 ●一の五言絶句漢字に意義多きは転注の結果なり宛も車の回転する如く此より彼に転…

Droid Sans Fallback の拡張プロジェクト@文泉驿

この前、軽量CJKフォントの Droid Sans Fallback を紹介したが、この部品を利用して未収録グリフの制作が行われているらしい。 Solidot | 文泉驿邀请广大爱好者参与补全Google Droid字体 プロジェクトを進めているのは、以前も少し取り上げた中国の「文泉驿…

はてなまでもが学参書体を使ってる件

はてな訪問うごメモ記帳 - ココロ社さま来社!「漢字のなりたち〜♪」編 記事の内容からして別に子供向けだというわけでもないのに*1、新ゴではなく学参新ゴ。 *1:子供向けだとしても学参はどーよ、と思いますが。個人的には。

渋谷のブックオフ

その他いくつかの本を古本屋で購入。渋谷のブックオフは書体に関する本が無く、誰か定期的にチェックしているようなので別の店舗を当たる。 近況 なんか自分のことのような気がしないでもない。でも自分自身、渋谷のブックオフでは大した本にありつけていな…

凡例は平庸か

新宿区が立てた避難場所案内の看板。日英中韓の4ヶ国語で書かれている。「凡例」を中国語にすると「平庸」、ってのは本当なんだろうか。 はんれい 凡例 日中辞書 - エキサイト 辞書 【平庸】 中日辞書 - エキサイト 辞書

ヘルベチカ展を見にgggまで行ってきた

が、祝日は休館だった。orz

「第2回ワークショップ: 文字 ―文字の規範―」と「活字デザイン今昔」に行ってきた

「第2回ワークショップ: 文字 ―文字の規範―」のご案内 青山ブックセンター:『日本語活字ものがたり』刊行記念トークショー 出演:小宮山博史 × 鳥海修 「活字デザイン今昔」 (本店:2009年2月8日) 行ってきた。行って良かった。いろいろな人にお会いでき…

第4水準の1点しんにょう

第4水準の漢字には、1点のしんにょうで例示されているものが2文字存在する。𨑕(2-89-75; U+28455)と 𨕫(2-89-90; U+2856B)がそれ。単純に考えれば常用漢字外だから2点になりそうなもんだけど(事実、上の2文字以外は2点になっている)、これだけがどうし…

『甲骨文字の読み方』

甲骨文字の読み方 (講談社現代新書)作者: 落合淳思出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/08/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 35回この商品を含むブログ (23件) を見る読了。これはおもしろかった。内容としては、最初に甲骨文字の周りの話がちょろっと…

蒼頡の伝説

又た一説に、蒼帝は史皇氏で其名を頡といつた、頡は龍のやうな顔で、大きな口、四つの眼があつて霊光かゞやき、睿徳あつて生れながら書を能くし、河図緑字を受くるに及んで、天地の変を窮め、仰いで奎星円曲の姿を、俯して亀文鳥羽山川を察して文字を創製し…