しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

明朝体かな書体を制作中 #かな書いてみる

きっかけ

何年も前から「オリジナルの明朝体かな書体作ってみたいなー」と思っていたが、思っているだけでどうも踏ん切りがつかず、結局のところ特に何も作ってはいなかった。

そんな中、先月大曲都市さんのタイプデザインセミナーに参加した際に、いろいろなお話を聴いて「やっぱり自分も何か手を動かして作ってみないと」と感じたり、懇親会で「最近何やってるの?」と訊かれて「そういえば特にこれといってやってないな」と気づいたりで、ちょうどいい機会だと思ってスパッと始めてみることにした。

計画

今回の目的としては、「書体制作の各過程を実際に経験する」ということがまず挙げられるが、それと同時に自分の実力の把握や、技術の体得もある程度できるかと思う。他の書体と比較することで、その書体の設計をより深く知ることにもなるだろう。

制作する書体は、前述のとおりオリジナルの明朝体かな書体。「まず作ってみる」ことが目的なのでコンセプトのようなものは特に考えていないが、普通の縦組み本文に使えるようなごくオーソドックスなかな書体を想定している。自分としてはクラシックなかなの方が好きだが、何も考えずに書いてみたところそれほどクラシッククラシックな感じにはならなかった。

全体の大雑把な手順はこんな感じだろうか。

  1. 方眼紙に下書き
  2. 下書きを基にして清書
  3. スキャンしてアウトライン化
  4. フォント化

これの各所に調整の作業が入ることになるだろう。まずは早めに全体像や作業の感覚を摑みたいので、清音(+ん)のひらがな48文字だけで作っていきたい。

進捗

というわけで、1月24日から下書きの作業を開始した。100均で買ってきたB5の方眼紙に骨骼を書き、肉付けをしていく。大きさは5cm角で、1枚の方眼紙に12個の文字が入る。書けば書くほどうまくはなるだろうが、とりあえず1つの文字につき3回程度書くことにした。

基本的に一日一枚のペースで書き、Twitter#かな書いてみるタグでつぶやいていた。そして昨日、ようやく「ん」まで書き終わり、ひらがな48文字の下書きができあがった。相対的な字面の大きさや太さ、寄り引きなどはバラついていてまだまだ調整が必要だが、各文字の字形はこれである程度固まったと思う。

先は長いが、ぼちぼちとやっていきたい。