スイートプリキュアと写研の書体
朝、テレビをつけたらスイートプリキュアなる女児向けアニメ*1が放送されていた。で、たまたまそのときにオープニングで写研の書体が使われているのを発見。web上でキャプチャ画像を漁ってみたところ、本篇中も含めていろいろなところで写研の書体が使われているようだ。
以下の画像は適当に拾ってきたものなので放送日はバラバラ。クリックで拡大。
▲ 石井特太ゴシック。
▲ 歌詞はナカフリーB。クレジットが本蘭明朝E、右上の「映画〜」がナールDBあたりだろうか。
▲ 各話タイトルはミンカール。
▲ 本篇中の一場面。「今日の〜」は新聞特太ゴシックで、「特に〜」はイナミンE(ルビはゴナ)。
▲ ゴーシャE。
意外なことに、ナカフリーやミンカールなどいわゆるファンシー系の書体だけでなく、明朝やゴシックまで一貫して写研の書体が使用されていた。
これを見るだけでも、
- 現在、写研の書体を使う方法としてはアウトラインサービスがあるが、プリキュアの制作場面でもこれを利用しているのだろうか。
- 手間が掛かるにも関わらず、わざわざ写研の書体を選ぶ理由は何か。やはり写研書体へのこだわりだろうか。
- 過去のプリキュアシリーズではどうなっているのだろうか。
- デジタル制作されている他のアニメでも写研の書体は使われているのだろうか。
などなど、いろいろな疑問が浮かんでくる。どなたかこの辺の事情に詳しい方いませんかね。
追記(2011-09-19)
その後いただいたコメントなどからちょっと調べてみましたが、プリキュアを制作している東映アニメーションは写研のテロッパ(テロップを出力する機器)である「テロメイヤ」を使用しているのではないか、という情報がありました。そうであればすべて写研の書体なのも至極当然の話で、こだわり云々以前の問題ということになります*2。
ちなみに、プリキュアで写研の書体が使われているという話は、プリキュア/テロップ/写研好きの方には割と知られている事実のようです。
本篇中、写研の書体が出てくる場面のキャプチャが何枚か。
上の方(@shota_ さん)のサークルですが、アニメに合わせて写研の書体が使われています。
こちらのブログ記事には各作品のサブタイトルが。
また id:n-yuji さんから教えていただいた テロップについて語ろう Part12 というスレッドをざっと読んでみましたが、このテレビのテロップの話はかなり奥が深そうです。興味のある方はぜひ。
さらに追記(2011-11-15)
上の追記で言及させていただいた @shota_ さんから、コメント欄にて詳しい情報を戴きました。
はじめまして、記事中でご紹介いただきました @shota_ です。
実は随分前から、東映アニメーション作品の中でも
写研書体を使用しているレギュラー作品は殆どプリキュアのみになっています。
元来、テロップ入れを行っていたのは東映アニメーション社内ではなく
納品テープを作る旧TOVIC(東映ラボ・テック赤坂ビデオセンター)でした。
ここでは2000年頃から写研書体に限らず幅広いフォントを東映TV作品で
使用してきましたので、プリキュアが敢えて写研書体を使用し続けてきたのは
最初に書いておられたとおり「こだわり」に近いものによると確信しています。
また、近年ではもはやプリキュアでテロメイヤーは使用していないようで、
現在は写研から先行的に提供されているOpenTypeフォントを使用していると思われます。
(参考:http://www.excite.co.jp/News/apple_blog/20110708/Macotakara_13285.html
したがって今年に入ってから本篇中で使用されている写研書体などは、
東映デジタルセンターではなく東映アニメーション社内で
演出助手がパソコンで作成しているものと考えられます。
なるほど、なるほどー!
記事中では裏付けもなく、かなり適当な臆測で「こだわりだろうか」と書いてしまったんですが、東映の中はそんな事情になっていたんですね。@shota_ さんが 「こだわり」に近いものによると確信してい
るのも納得です。
やっぱり制作者の書体に対する「こだわり」だったとわかって、なんかちょっと嬉しい気分。いつまでも続けてほしいものです。
*1:と思っていたら、プリキュアとは - はてなキーワード によれば大きなお友達も公式のターゲット層らしい…
*2:私がその可能性を考えていなかったのは、「専用のテロッパといえばニュースやらバラエティ番組やらで使うもので、デジタル制作のアニメには無縁のもの」という思い込みがあったからです;