しろもじメモランダム

文字についてあれこれと。

組版

サーチナの字下げ

中国のニュースや情報を日本語で発信している、サーチナというポータルサイトがある。で、このサイト、下の画像でわかるように段落の先頭行が2字下げになっている。段落の先頭行を字下げする場合、日本では普通1字分だけ下げるが、中国では2字下げる組み方が…

VIPにおけるSS内の空行と携帯電話

文章による創作の1ジャンルに、SS*1と呼ばれるものがある。SSはさまざまな場所で発表されており、その形式も多様だが、2chのVIPでは現在以下のような形式が主流になっている。例文は “櫻子「向日葵! 勝負だ勝負だ勝負しろー!」” の>>52から採った。 櫻子「…

ギジモ明朝を組む際に気をつけるべきたった2つのポイント

ズバリ、 かなや漢字と混植しない 横組みでは「縦書き文章であることを示す記号」を使わない この2点に尽きる。 悪い例 黄色い見本帳の p. 430。これはひどい(笑) そもそも そもそもギジモって何さ?という方は、こちらをどうぞ。 JTCギジモ明朝M - しろも…

縦の音引きを横にして使う

昔、横組みがまだそれほど一般的でなかった時代には、横組み用の音引き(ー)の活字は用意されていなかった。縦組み用の音引きを左に90度回転させて代用としていたので、起筆部分の出っ張りが下を向いてしまい、若干違和感がある。その後横組みが広まるにつ…

ルビつきフォント

金属活字には、漢字と一緒にルビを鋳込んだルビつき活字もあった。こうしておけば、細かいルビを組む手間が省ける。で、デジタルフォントでもルビつきのものを発見。ただし中文フォント。 Arphic-書体見本/繁体中国語 Arphic-書体見本/繁体中国語 中国語では…

斜めの分数を組むための活字

算数の授業で習った分数の書き方は、横線を引いて下に分母、上に分子を書くというものだった。一方、実際の生活では 1/2 や 34/56 といった表記もよく使われる。こちらはキーボードでもすぐに入力でき、また行の上下に出っ張ることもない。なかなか便利。英…

ハイフン多発

図書館にあったメモ用紙の裏*1。ロシア語書籍のコピーだろうか、キリル文字が並んでいる。よく見てみると、行末のハイフネーションが多いことに気づく。行長が短いわけでもないのに、20行中10行がハイフン。ドイツ語は1語が長いのでハイフネーションが多くな…

昭和3年『校正の研究』の活字の解説

先日うわづら文庫の存在を知った。中身をちょっと眺めていたところ、『校正の研究』という本を発見。「未整理」にある kosei_kenkyu.pdf というファイルがそれ。奥付によると大阪毎日新聞社校正部編、昭和3年(1928年)9月25日発行。ちなみにこの PDF は659…

中文の古本を眺める(1)『東行三録』

昨日買ってきた古本の中から、まずは1冊目。中国歴史研究社編、中国歴史研究資料叢書『東行三録』*1。上海書店印行。1982年9月発行、定価0.90元。奥付には 本書根拠神州国光社1951年版復印 とある。内容については全く知らないが、前半の「東行初録」「東行…

縦書きブログを見てあれこれ

http://www.tategaki.jp/実証実験中らしい。それぞれ体裁の異なった4つのブログが見本として閲覧できるが、この中では八軒家南斎のブログのスタイルがいちばん好み。Flash で表示しているようだが、文字列の選択やコピーもちゃんとできる。マウスホイールを…

もじもじカフェ「中華書体事情」後編

前編からの続き。へんな時間に更新。 新聞・雑誌の組み方 (ここらへんは見るのに夢中であまりメモをとっていない) 中国の新聞 横組。 基本的に本文は明朝体、見出しは明朝体かゴシック体。 段落の頭は2字下げが基本。 カギカッコの代わりにダブルクオート…

中国ではどうしてるんだろう?

二つ名メーカーによるとらしいが(ん……なんとも微妙な……)、これを作った pha 氏の日記に「二つ名メーカー」と漢字文化圏というエントリが上がっていた。 予想外の反応だったのは、中国や韓国の人にも遊んでもらえたということだった。多分きっかけはこのブ…

Writing の授業でのフォーマット

以前受けた授業のメモが出てきたので、とりあえず書き留めておく。 用紙は A4 サイズ 四方のマージンは 1 inch (= 25.4 mm) ヘッダの行送りは single space、本文では double space*1 段落の頭のインデントは 5 spaces (= 1/2 inch) blockquote には double …

調和体の「読みやすさ」

昨日行ってきた日展の、書の作品について雑記。撮影禁止だったので、残念ながら画像はない。調和体(漢字かな交じり文)の作品の一つに、ルビを振ってあるものがあった。振られているのは読みの難しい漢字のみで、普通の書籍などと同じく、漢字の右側に小さ…